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【光影の塔】2022年10月開発予定

Cdecです。
仕事が立て込んでいて間が空いてしまいましたが、デジゲー博も近づいてきたのでなんとか時間を取ってゲーム開発を進めていきたいです。

ということで、現状振り返りと10月の開発予定を報告します。
(もう10月半ばすぎていますが……)

全体スケジュール

2022年7月全体スケジュール

公開予定時期変更

全体スケジュールですが、7~9月にあまり開発に手を付けられなかった影響で、公開予定を実質3ヶ月後ろ倒しし、「2022年後半」から「2022年度第4四半期」としました。

11月までにゲームのコア部分(プレイ体験改善)は完成させ、年度末にかけて公開できる程度に、武器等の要素増量や周辺システムの実装、細かい部分のブラシュアップを実施していく予定です。

イベント出展決定

11/13(日)に開催されるデジゲー博2022に当選しました。
今年も試遊できる状態で出展する予定です。参加の目的は以下の三つです。
前者2つについては、デジゲー博参加前後により詳細を説明する記事を書く予定です。

  • IGC2022を踏まえた修正の効果を見る
  • ゲームコア部分(オブジェクト破壊)についてお客さんからのフィードバックを得る
  • 宣伝

7~9月開発進捗

7~9月で、IGC2022で出た課題への対応がようやく完了しました。具体的には以下の内容です。

ボタン配置変更

ブレーキや武器使用等のよく使うボタンをL, R(手前)に割り当てていましたが、ボタンの位置的に少し押しづらい割り当てになっていました。

これを解消するために、より押しやすいZL, ZR(奥)にブレーキや武器使用等のよく使うボタンを割り当てるよう変更しました。

デフォルト武器追加

IGC2022では、ゲーム開始時には武器を所持しておらず、攻撃手段が体当たり攻撃しかありませんでした。
体当たり攻撃は壊すオブジェクトのそばまで行って攻撃する必要があり、武器を取るまではプレイヤーはストレスを強いられる状態になっていました。

本ゲームが提供したい体験の一つは「破壊の爽快感」です。武器を持っていないという状態というのは、爽快感どころかストレスを感じるような状態であり、このような状態にプレイヤーが陥ってしまうことは望ましくありません。このことから、武器が使えない状態でも、デフォルトで射撃を行える武器が常に使えるように変更しました。

デフォルトで使える武器は無限に使えますが、攻撃力が弱く塔も壊せないというデメリットがあるので、通常の武器を取得し、オブジェクトを破壊して武器エネルギーをため、塔を破壊する、という本ゲームのメインとなる流れを阻害するものではありません。

プレイヤー等の小さいオブジェクトにもターゲットを合わせやすいよう改善

本ゲームではカーソルにあった物体をターゲットし自動追尾するシステムになっています。
前述の通り本ゲームの提供したい体験は「破壊する爽快感」であり、その体験は、プレイヤーがオブジェクトをスムーズに破壊できる、という場を用意することで実現しようとしています。そのために前述のオブジェクトのターゲットによる自動追尾は重要な役割を果たしており、物体へのターゲットがプレイヤーの思い通りにできる、というのは重要な要素です。

しかし、IGC2022時点では、ターゲットの検出にレイキャスト(線)を用いていたことで、プレイヤー等の画面上で小さくしか映らない対象にターゲットを合わせようとすると、ドット単位での照準合わせが必要になるという仕様になっていました。プレイヤーの移動速度が速い本ゲームにおいて、動きながらドットレベルでの照準合わせをするのはほぼ不可能に近い作業で、ターゲットしようにも求められ得る精度が高すぎてできない、という状態になっていました。

これを解消するために、ターゲットの検出には、画面から遠くなるほど半径が大きくなる、カメラを原点とした円錐型の衝突領域を使用するよう変更しました。これにより、プレイヤーがターゲットを合わせるために求められる精度が、照準円内にオブジェクトをとらえる程度よくなり、敵プレイヤー等の小さいオブジェクトへのターゲットが大きく改善されました。

武器の取得方法変更

今までは、武器を取得するためには武器をいったん捨てる、というシステムでしたが、IGC2022当日は誤爆でいつの間にか武器がなくなっている、という状況が多々起こりました。

前述の通り、本ゲームで武器を持っていないという状態はプレイヤーに不要なストレスを与える状態なので避けるべきです。このことから、武器は捨ててからとるのではなく交換する形式とし、武器アイテムの近くで武器取得ボタンを押せば新しい武器に交換できる、という武器取得方法に変更しました。

パワーアップしまくったときのパラメーター調整

パワーアップアイテムを最大まで取得しプレイヤーの速度が速くなった際に、プレイヤーの操作が難しすぎる、という意見が複数出ました。その状態になると塔やオブジェクトの破壊がままならないほど操作が難しくなるので、本ゲームが提供したい「破壊する爽快感」とかそれどころではなくなります。

一方で、「パワーアップアイテムをとり能力強化される達成感」も本ゲームが提供したい体験であり、パワーアップアイテムを取りまくってプレイヤーが非常に早くなる、という状態は、プレイヤーが強化されたことを強く体験できる場面だと思っているので、維持したいです。このことから、パワーアップアイテムを取ったときの多少過剰なプレイヤーの速度アップはそのままに、パワーアップ時には旋回や加速減速の性能が大幅に強化されるようにパラメーターを調整し、対処しました。

10月開発予定

デジゲー博までにゲームのコア部分(プレイヤー体験改善)を実装完了することを目指して、以下を進めます。

  • 物理挙動に従った破壊可能オブジェクト実装
  • ステージ修正

「物理挙動に従った破壊可能オブジェクト実装」はこのゲームが提供する「破壊する爽快感」のコア部分になるものです。
これについては去年にも仮実装したのですが、その時点で技術的な課題があり、それを解消する時間がなかったため見送りになりました。去年時点での技術課題を解消する方向で実装を進め、何とか形にしたいと思っています。

「ステージ修正」は、実装した破壊可能オブジェクトを実際にステージに配置するという内容になります。

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【光影の塔】2022年7月開発予定

Cdecです。7/29に発売されるゼノブレイド3が楽しみで、夜しか眠れません。
ゼノブレイドシリーズ、シリーズが進むごとに重い世界観になっていってない……?

それはそれとして、現状振り返りと6月の開発予定を報告します。

全体スケジュール

2022年7月全体スケジュール

6月に実施予定だった「塔修正」「単純破壊可能オブジェクト配置」「パワーアップシステム修正」「チーム関係修正」「ステージ調整」「武器調整」が予定どおり完了しました。

スケジュール変更はなしです。

視覚的に一番わかりやすい変更点は塔です。
塔を体当たりでは壊せないようにし、それを視覚的に表現するためにシールドで包むようになりました。
また、塔のスコア廃止に伴い、塔の色合いをチームの色(影は黒+紫、光は白+黄)でそろえ、以前よりも統一感のある見た目になったと思っています。

古い塔
202207旧タワー

新しい塔
202207新タワー

これ以外の詳細な変更内容は別の記事で紹介します。

イベントスケジュール

6/26に開催された東京ゲームダンジョンは無事に完了しました。
実は、私は家庭の事情でIGC2022に出られなかったので、サークルメンバーのLuiとVanに当日は出展してもらいました(感謝)。
Luftelliのブースに来てプレイしてくださった方がたくさんいたようで、非常にうれしいです。
IGC2022で得た情報の分析とそれを踏まえた修正内容については、別の記事にする予定です。

また、デジゲー2022の申し込みが始まったので、申し込みに向けて準備を始めたところです。

  • IGC 2022(6/26):完了😎
  • デジゲー博2022(11/13):申し込み準備中

7月の予定

2022年7月スケジュール

4~7月で「ゲームプレイ体験の改善」を行います。
4月時点で改修内容は決定し(参考)、5月~7月の予定で実装を進めていました。
6月まではIGC2022に向けて、改修内容のメイン部分である「プレイヤー操作」「武器」「塔」「パワーアップアイテム」「チーム」「単純破壊可能オブジェクト」の改修・実装を行いました。

7月は、IGC2022の結果を踏まえた修正、あとは残りの改善項目である「ステージ」「ゲームUI」「救済武器」を実装する予定で、これが完了すればゲームのコア部分がいったんは固まるということになります。

IGC2022で確かめたかった「改修後のプレイヤー操作で意図した体験をプレイヤーに提供できているか」は、具体的には以下の内容です。

  • プレイヤーが立ち止まることなくステージ上のオブジェクトを次々破壊できるか
  • 初見のプレイヤーが戸惑うことなく操作できているか
  • 爽快感を感じてもらえているか

IGC2022ではプレイ後アンケートやプレイ動画などを収集し、これを用いて上記の事項を確かめます。
その結果やそれに基づいた修正内容は、まとまりしだい別の記事で説明します。

5~7月の改修項目と、7月に実施する項目を以下にまとめました。
✴️赤字部分を7月に行う予定です。✅灰色部分は今までで実施済みの部分です。


方針・内容決め

改修項目(IGC2022まで)

  • ✅プレイヤー操作
  • ✅武器
  • 単純な破壊可能オブジェクト
  • ✅塔
  • ✅パワーアップアイテム
  • ✅チーム領域

改修項目(IGC2022以降)

  • ✴️IGC2022を踏まえての修正
  • ✴️ステージ
  • ✴️物理挙動に従った破壊可能オブジェクト
  • ✴️救済武器
  • ✴️ゲームUI

今回の報告は以上です。

【光影の塔】2022年6月開発予定

Cdecです。
最近はサロメお嬢様にはまっています。

それはそれとして、ちくわにツナサラダをつめてパンで包んだ、ちくわパンというものがあるらしいですよ。
札幌の名物らしいです。ちくわときりたんぽを入れ替えたイラストを作ろうと、イラストやでちくわを探していて初めて知りました。

ちくわパンついでに、現状振り返りと6月の開発予定を報告します(?)。

全体スケジュール

2022年6月全体スケジュール

5月にかけて行う予定だった「ゲームプレイ体験改善」実装の「プレイヤー操作・武器改修」「ゲームシステム改修」のうち、「プレイヤー操作改修」までが完了しました。

予定していた「ゲームシステム改修」が遅れています。このこととIGC2022の参加後にはそれを踏まえた改修が入ることを考慮して、改修の期間を1ヶ月追加し、7月までとしました。

1カ月の予備期間を含んでいたため、それを消費し公開予定の2022年後半には変更ありません。

全体スケジュールの変更点が分かりやすいように変更前後を並べた図も置いておきます。

2022年6月全体スケジュール変更比較

イベントスケジュール

8/6予定の東京ゲームダンジョンには落選してしまいました……😭
残念ですが、また次の機会に申し込もうと思っています。

これを踏まえて、今年出展する予定のイベントは2つになりました。

  • IGC 2022(6/26):出展に向けて準備中
  • デジゲー博2022:今年は11/13開催予定。申し込み開始待ち

6月の予定

2022年6月スケジュール

4~7月で「ゲームプレイ体験の改善」を行います。
4月時点で改修内容は決定した(参考)ので、5月~7月の予定で実装を進めており、5月時点で「プレイヤー操作改修」「武器改修」が完了しています。詳細な内容は別の記事で説明する予定です。

今回の改修については、IGC2022で意図した体験を提供できているか検証する予定です。
ただし、IGC2022でプレイしてもらう際は複数人で対戦するような環境ではないことから、そこで検証対象とするのは「改修後のプレイヤー操作で意図した体験をプレイヤーに提供できているか」とし、「複数人対戦での体験」は検証の対象外とすることを考えています。

「改修後のプレイヤー操作で意図した体験をプレイヤーに提供できているか」は、具体的には以下の内容です。

  • プレイヤーが立ち止まることなくステージ上のオブジェクトを次々破壊できるか
  • 初見のプレイヤーが戸惑うことなく操作できているか

これを前提に、「プレイヤー操作改修」に加え、「ゲームシステム改修」のうちプレイヤーが破壊する対象となる「塔」「破壊可能オブジェクト」の改修を優先的に進めることとし、以下に示すように✴️赤字部分を6月中(IGC2022まで)に行う予定です。✅灰色部分は今までで実施済みの部分です。


方針・内容決め

改修項目(IGC2022まで)

  • ✅プレイヤー操作
  • ✅武器
  • ✴️単純な破壊可能オブジェクト
  • ✴️塔
  • ✴️パワーアップアイテム
  • ✴️チーム領域

改修項目(IGC2022以降)

  • ⬜ステージ
  • ⬜物理挙動に従った  破壊可能オブジェクト
  • ⬜救済武器
  • ⬜ゲームUI

今回の報告は以上です。
IGC2022では36番ブースで出展するので、ぜひ遊びに来てください!

【光影の塔】2022年5月開発予定

Cdecです。

GWが終わってしまいました……
現状振り返りと5月の開発予定を報告します。

全体スケジュール

2022年5月全体スケジュール

4月~5月にかけて行う予定だった「ゲームプレイ体験改善」のうち、改修内容の決定までが完了しました。
改修対象は「プレイヤー操作」「ゲームシステム」「UI」「ステージ」です。

当初は「ゲームシステム」は改修対象としていなかったため、改修規模は予定よりも多くなりました。
(詳細はこの記事参照)

これを踏まえ、改修の期間を1ヶ月追加し、6月までとしました。
もともと2カ月の予備期間を含んでいたため、そのうちの1ヶ月を消費し、公開予定の2022年後半には変更ありません。

全体スケジュールの変更点が分かりやすいように変更前後を並べた図も置いておきます。

2022年5月全体スケジュール変更比較

イベントスケジュール

今年出展する予定の3つのイベントについて、状況は以下の通りです。
IGC2022には当選し、出展が確定しました。

  • IGC 2022(6/26):申し込み完了し当選! 出展に向けて準備中
  • 東京ゲームダンジョン(8/7):申し込み完了し抽選結果待ち
  • デジゲー博2022(仮):情報はまだですが今年も開催されることを期待して

5月の予定

2022年5月スケジュール

4~5月で「ゲームプレイ体験の改善」を行います。
4月時点で改修内容は決定した(参考)ので、5月と6月で実際の改修を実施します。
5月に「プレイヤー操作」「ゲームシステム」、6月に「ステージ」「UI」に着手する予定です。

以下にゲームプレイ体験改善全体のタスクを示しますが、このうちの赤字部分が5月に行う部分です。
灰色部分は4月に実施済みの部分です。


方針・内容決定
  • 提供するゲームプレイ時体験の定義
  • 各要素仕様決定

設計
  • プレイヤー操作部分プログラム設計(リファクタリング含む)
  • ゲームシステム部分プログラム設計(リファクタリング含む)
  • ステージの構成決定
  • ゲームUI再設計

実装
  • プレイヤー挙動の修正
  • コントローラーボタン割り当ての変更
  • ゲームシステム修正
  • ステージ修正
  • ゲームUIの修正

ICG2022でお客さんにプレイしてもらうために、それまでに改修を終わらせたいところです。

【光影の塔】ゲーム改修内容の決定

Cdecです。

現在開発している「光影の塔」について、4月に行うと以前に記事に記載した「ゲームプレイ体験改善」について、その改修内容を決定しました。

本記事では、どのような方針・方法で改修内容を決めたか、なぜそのような方法で決めたか、について記載します。

「うわ長っ! こんな長文誰が読むんだよ」って感じですが、こんなことを考えて開発した、こんな試行錯誤をした、正しいかわからないけどこんな方法を試した、という開発記録を残し、あわよくば将来の自分や同じような状況の小規模チームでのゲーム開発者の参考になればという目的で、仕様決定までの内容を一通り記載します。

ここに書いてある内容は、あくまでもゲームデザイン初心者が考えた、こうすればよいのではないかという仮説を試してみたというものに過ぎないので、内容の有用性は保証しません。

いままでの経緯と目的

まず今回の改修の目的ですが、簡単に言うと、「今開発している「光影の塔」がいまいちおもしろくないので、おもしろくなるように内容を修正する」です。そのために、ゲームの内容をどのような仕様に変えればいいのか決める、というのが本記事の範囲です。

目的はそうだとして、「光影の塔」はそもそもどんなゲームなんだ? と思われていそうなので、現時点での光影の塔の簡単な紹介をします。

2022_04_10_ゲーム説明_12022_04_10_ゲーム説明_2

プレイ動画はこちら。


うーん。なんか微妙……

本ゲーム「光影の塔」は2017年から開発しており、今年で5年になります。

某カービィが乗り物に乗るゲームと某イカのゲームに影響を受けて作り始め、当初は1年くらいで完成させる予定だったのですが、延期に延期を重ねて現在に至ります。

開発がここまで長引いている原因は複数挙げられるのですが、最も大きな原因は仕様が固まらないことです。今までを振り返り、仕様が固まらない原因は

全体として明確な軸がない

ことだと考えています。

というのも、今まで約1年周期で仕様の変更を繰り返してきており、毎回その場その場で出た意見や問題に対応してきただけで、修正の方向性がバラバラでした。これはゲーム全体としてどのようなことがしたいのか明確な軸がないためで、そのせいで仕様が迷走している状態になっていました。

このままさらに改修を進めると、今までと同じように迷走を繰り返し、来年もまた「面白くないから改修しよう……」と言っている自分の姿が容易に想像できます。

この迷走から抜け出すために、「ゲーム全体の軸」を明確にしたうえで、そこからゲームの仕様を資料に残しながらある程度根拠を明確にして詳細化していき、「ゲーム全体の軸」に仕様が合致しているかどうかを検証するという目的でお客さんの意見を聞き、検証を重ね改善していく方法で今回は改修を行おうと考えています。

これにより、以下のメリットが得られると考えています。

  • チーム内での共有が容易になる(今まで私の頭の中にしか原本がなかったので)
  • ゲームの作成方法にある程度再現性がでる
  • ゲーム仕様の検証ができるようになる

方針

「ゲーム全体の軸」を決めるとして、何を軸にすればよいのでしょうか?

ゲームの仕様を考えるという意味ではゲームデザインに相当すると思い、ゲームデザインバイブルという本を(まだ途中ですが)読んでみました。その本に書いている内容から、「ゲームはゲームという媒体を通してプレイヤーに体験を提供するもの」であると認識しました。このことから、「ゲーム全体の軸」として、「プレイヤーに提供したい体験」を設定することが適切であると考えました。

これを基に、「プレイヤーに提供したい体験」を定義したうえで、そのためにどうすればよいのか、という観点で改修内容の決定、今後の修正内容決定を行っていくのがよいのではと仮定し、実践してみることにしました。プレイテスト等を行う際には、「プレイヤーに提供したい体験」を提供できているのか、できていないならどこが原因か、という観点で検証し修正することになり、「プレイヤーに提供したい体験」という明確な軸があるので、方向性がぶれ仕様が迷走することはなくなると期待しています。

最終的な目的は、各要素の大まかな仕様決定です。各要素とは、ゲームを構成するゲームシステム、操作方法、UI塔の要素です。各要素の大まかな仕様決定までは、「プレイヤーに提供したい体験」から徐々に詳細化していく形で、以下のように4段階に分けで進めます。

改修内容が大きくなり過ぎないよう、今回は現行の仕様に沿って考えていくことにしました。現行仕様詳細は「補足:現行仕様」の章を参照してください。

  1. 提供する体験定義
  2. 全体フロー作成
  3. シナリオ作成
  4. 各要素仕様決定

提供する体験定義

ゲームを通してプレイヤーにどのような体験を提供したいか、対象ユーザーはどのようなユーザーか定義します。また、その際の制約条件を明確化します。

全体フロー作成

全体的なフロー図を作成し、上記体験を提供するために全体としてプレイヤーにどのような行動をどのような動機で行わせ、システムが何をすればよいか決めます。

シナリオ作成

全体フローをシナリオに分割し、それぞれプレイヤーの操作レベルで詳細化します。

提供する体験定義

本ゲームは、前述したとおり、某カービィが乗り物に乗るゲームに影響を受けて開発を始めたゲームです。今まで、私の頭の中には「あのゲームのここが面白いからそんな感じのゲームにしたい」というあいまいなイメージがある程度でした。これを具体化し、あのゲームの何が面白いと思って何をこのゲームに取り入れようと思ったのか言語化することで、これを「光影の塔が提供したい体験」として定義することにしました。

という流れで決めた、本ゲームが提供する体験は

アイテムを取ってどんどん強くなる達成感+強化状態で無双することの爽快感

です。

対象ユーザー像は以下のとおり。

  • 複雑なゲームを好まない人
  • エ〇〇〇ド経験者
  • カジュアルな対戦ゲームが好きな人

「アイテムを取ってどんどん強くなる達成感+強化状態で無双することの爽快感」ではおおざっぱすぎるので、これをもう少し細かい体験に分割してみました。

アイテムを取ってどんどん強くなる達成感

  • 取りたいアイテムを見つけたときの喜び
  • アイテムをたくさん取ってプレイヤーの強化が実感できた時の達成感
  • 良いアイテムがここにあると予測して実際にあったときの喜び

強化状態で無双することの爽快感

  • オブジェクトを自分の意志で次々破壊できる爽快感
  • 敵を蹂躙できる気持ちよさ

ただし、今制作しているのは対戦ゲームなので、「敵を蹂躙できる気持ちよさ」の体験を提供するのに特化するあまり、理不尽さを感じるゲームバランスにしてしまってはいけません。本ゲームが2チームに分かれて戦うゲームですが、片方のチームがずっと蹂躙しっぱなしなゲームバランスだと、当然蹂躙されている方はたまったものじゃありません。

好き好んで自分が一方的に叩きのめされるようなゲームを好き好んで遊ぶ人はいないでしょう。このため、対戦ゲームとしてバランスをとるために、以下の制約を加えます。

  • アイテム強化で試合が一方的になるのは避ける
  • どちらか一方のチームがずっと蹂躙されている状況にはさせない

この制約を加えたうえで、ゲームバランス調整の方針として、常に公平性が保たれるバランスにするのではなく、「勝っているときは好き放題でき、負けている時はやられ放題という振れ幅のあるバランスにし、救済措置による逆転等でその関係を1試合の中で入れ替え可能にし試合全体でバランスをとる」を方針にしたいと思っています。

これは個人的な感覚ですが、有名どころの対戦ゲームは公平性を重視したゲームバランスになっているものが多いと思っています。小規模開発の本ゲームがそこに合わせるとただ埋もれるだけなので、意図的に極端なゲームバランスにし、提供したい体験の一つ「敵を蹂躙できる気持ちよさ」を強調することで、有名どころのゲームと差別化したいという狙いです。

あともう一つ、一般論として、対戦ゲームは何度も遊んでもらえるように、以下の要素が必要だと考えています。

  • 負けた要因が理解可能で回避可能
  • 勝った時の正の感情が負けたときの負の感情を上回る
  • 作戦を練られる

一つ目については、なぜ負けたのかがわからない場合やその要因が回避不可能な場合、負けたプレイヤーはただただ理不尽さを感じるだけですからね。「負けたけどここをああすれば勝てた」というようなことを考えられるようなゲームにしたいです。

二つ目については、負けたときの負の感情の方が大きいと、負けたくないからプレイしない、という状態になってしまいます。それを避けたいということです。

三つ目については、プレイ前に作戦を立て、プレイ後にその結果を振り返ることができる、言い換えると試合自体を「どのように試合に勝つか」という問題として考えることができるようにするということです。

これらの提供したい体験と制約を、より詳細化していきます。

全体フロー作成

定義した「プレイヤーに提供したい体験」を提供できるようにするような仕様を考えるために、まずは粒度と目的の異なる3つの図を作成しました。

  • ゲーム全体フロー
  • 試合状態遷移図
  • プレイヤー行動フロー

ゲーム全体フロー

ゲーム全体を通してのプレイヤーの行動を示したフロー図です。

ゲームを繰り返し遊んでもらうために、ゲーム自体にどのような動機付けをプレイヤーに対して行うのか検討するためのものです。

作成したのが以下の図です。一部検討中な部分がありますが、今はゲームのメインコンテンツに関わる部分の決定が優先なので、現時点では保留にしています。

体験設計_全体フロー作成_ゲーム全体フロー_2022_05

試合状態遷移図

試合中の状態遷移を可視化した遷移図です。

以下の3つを決定するためのものです。

  • 試合の流れ
  • 試合のバランス調整方針
  • システムが介入するべき内容

作成した図は以下のとおりです。

体験設計_全体フロー作成_試合状態遷移図_2022_05

プレイヤー行動フロー

プレイヤーの行動ループの1ループを示したフロー図です。

以下の3つを決定するためのものです。

  • 具体化するシナリオの抽出
  • 提供したい体験の提供場所決定
  • プレイヤーの行動の動機づけ

作成した図は以下のとおりです。体験設計_全体フロー作成_プレイヤー行動フロー_2022_05


シナリオ作成

「全体フロー作成」の内容はまだ概念レベルの話なので、より具体化するために、「プレイヤー行動フロー」から抽出した各シナリオについて、プレイヤーの操作レベルで詳細化します。

以下の2つを決定するのが目的となります。

  • 各要素の仕様を決めるための方向性と制約事項決定
  • 提供したい体験を実現するための具体的な方法決定

今回抽出したシナリオは以下の6つです。

  • 塔破壊シナリオ
  • 武器取得シナリオ
  • オブジェクト破壊シナリオ
  • Pアップアイテム取得シナリオ
  • 会敵シナリオ
  • 逆転シナリオ

各シナリオのフロー図を張り付けていきます。

塔破壊シナリオ

塔を壊すシナリオです。

体験設計_シナリオ作成_塔破壊シナリオ_2022_05

武器取得シナリオ

武器取得時のシナリオです。

体験設計_シナリオ作成_武器取得シナリオ_2022_05

オブジェクト破壊シナリオ

ステージ上の破壊可能オブジェクトを壊し、武器エネルギーを得るシナリオです。

体験設計_シナリオ作成_オブジェクト破壊シナリオ_2022_05

Pアップアイテム取得シナリオ

パワーアップアイテムを取得し自機を強化するシナリオです。

体験設計_シナリオ作成_Pアップアイテム取得シナリオ_2022_05

会敵シナリオ

敵にあって戦うシナリオです。体験設計_シナリオ作成_会敵シナリオ_2022_05


逆転シナリオ

救済措置を使って逆転する際の、逆転側、それを阻止する側のシナリオです。

体験設計_シナリオ作成_逆転シナリオ_2022_05

各要素仕様決定

「全体フロー作成」「シナリオ作成」で作成したすべての資料を基に、各要素の仕様又はその方向性を決定します。

具体的には、以下の要素が対象です。

  • ゲームシステム
  • 操作方法
  • ステージ
  • UI
  • ゲームサブ要素

ゲームサブ要素は、ゲームのメインコンテンツ以外の、ゲームを継続して遊んでもらうための要素になります。実績システムらレーティングシステムなどです。これについては、元になる「ゲーム全体フロー」に検討中の部分があるため、決定は先送りします。

赤文字は旧仕様からの変更部分です。青文字は旧仕様からの追加部分です。
現行仕様詳細は「補足:現行仕様」の章を参照してください。

ゲームシステム

図を作るのが面倒くさいので文字列列挙ですがとりあえず。

ゲームルール
  • チーム制(最大4vs4)
  • 制限時間制
  • 制限時間終了時の塔の占拠数が多かったチームの勝ち
  • ステージ内に配置されている
  • 試合終了時に多く占拠していたチームの勝利
  • 塔はシールドで守られており、武器がないと破壊不可能
  • 塔を壊すには、武器取得とオブジェクト破壊等による武器エネルギー取得が必要
  • 塔は通りすがりに壊せるくらいのHPしかない
  • 塔は通常タワーとレアタワーの2種類のみ。レアタワーは複数カウントされる
  • レアタワーは見つけづらい場所に隠れている
破壊可能オブジェクト
  • ステージ内に配置されている
  • 破壊後一定時間で再生する
  • 体当たりでも武器でも破壊可能
  • 壊すと武器エネルギーを落とす。落としたエネルギーは自動回収される。武器エネルギーは劣勢の場合は少しずつ自動回復する
  • 容易に壊せるくらいのHPしかない
武器
  • 武器はステージに落ちている。アイテムボックスには入っていない。一定時間で消える
  • レア武器は滅多に出現しない。ステージの決まった位置での出現確率が高い
  • 武器を使うには武器エネルギーが必要。性能の高い武器程消費エネルギーが多い。武器エネルギーは個人所有
  • 武器を取得するとまずはストックされる。武器設定ボタンを押すとストックしている武器が設定される。ストックがある状態では武器は新たに取得できない
  • 敵に当てやすいように攻撃範囲広め、誘導強め

武器には3種類ある

  • 通常武器:通常の武器
  • レア武器:攻撃力が高い、攻撃範囲が広いなど性能の高い武器。エネルギー消費量が多い
  • 救済武器:後述
救済武器
  • 以下の条件で負けているチームの拠点に出現する逆転チャンスを作るための武器。条件を満たさなくなると消える
  • 条件:塔の占拠数が圧倒的に負けていて、パワーアップ状況が拮抗しているか劣勢
  • 1つにつき1度しか使えない。取得後には使用の時間制限がある
  • 発射から着弾までのタイムラグがあり、その間に勝っているチームは救済武器を妨害して止めることができる
  • プレイヤーに対する攻撃力はあまり高くなく、使われても死んでアイテムを大量に落とすということはあまりない。塔破壊特化
  • 妨害して破壊することに成功すると、勝っているチームは大量の武器エネルギーを取得する
  • 妨害して破壊された後は30秒出現しない
  • 出現条件を満たしてから30秒経過してから出現する

救済武器は以下の2種類ある

  • 救済武器(強):パワーアップ状況が劣勢の場合に出現。ステージ内の2/3の塔を破壊できるほどの攻撃範囲を持つ。HP高い
  • 救済武器(弱):パワーアップ状況が拮抗している場合に出現。ステージ内の1/2の塔を破壊できるほどの攻撃範囲を持つ。HP中くらい
パワーアップアイテム
  • アイテムはステージに落ちている。アイテムボックスには入っていない。一定時間で消える
  • パワーアップアイテムはチーム共有
  • パワーアップアイテムには意図的にいろんな種類を持たせる
  • 敵に倒されるとパワーアップアイテムを落とす。たくさん持っているほどたくさん落とす。落としたアイテムは倒した側に自動収集される
  • 塔占拠数が劣勢の場合は落とす量が少なくなる
  • 塔占拠数が圧倒的に劣勢の場合は落とさなくなる
チーム領域
  • 占拠された塔の周辺はそのチームの領域となり、味方は性能向上、敵は性能低下するメリットがある
  • アイテムはチーム領域に関わらず落とす
その他
  • プレイヤーは飛行制限あり。一定時間で上昇できなくなる

操作方法

現状で、プレイヤー操作において以下の問題が定義したシナリオを阻害している。

塔を壊すためにいったん立ち止まる必要がある

  • 正面で対象をとらえないとロックオンされないのでプレイヤーの向きを対象に合わせる必要がある
  • ブレーキでドリフトがほとんどできない

使用するボタン数が多い

  • 慣れないと操作がままならず破壊の爽快感どころじゃない

武器を取ると使っている武器が上書きされてしまう

  • 意図せず取った武器で上書きされてしまうことが多い。すごいビーム使おうとしたら通常武器で上書きされて使えないとか

これを解消するために、「立ち止まる必要を減らす」「単純操作」を目標に、照準移動追加とその他ボタンの統合を行い、以下の操作方法とする。

  • L: 武器使用
  • ZL(通常):ストック武器セット
  • ZL(長押し):ストック武器破棄
  • R(直進時):ブレーキ&チャージ&チャージアタック
  • R(方向転換時):ドリフト&チャージ&チャージアタック
  • 左スティック(通常):方向転換
  • 左スティック(レバガチャ):スピンアタック
  • 右スティック:照準操作。照準操作は自動ロックオン付きで、攻撃はロックオン対象に自動誘導される

ステージ

以下の方針とする。

  • レア武器の出現分布を偏らせるに当たって、ステージのエリアを区別できるようにしないといけないため、エリアによって景色が異なる(エリアによって特徴やランドマークを作る)ようにする
  • 高低差は控え目か。高低差を作る場合も上から見て複数のフロアが重ならないようにする(現状の実装の制約から)

UI

以下の方針とする。

重要な情報はプレイヤーの視線の先に置く。プレイヤーの目線は画面上半分、特に照準付近が中心になると想定

  • 飛行ゲージ
  • 武器ゲージ:照準と重ねる形で配置する
  • 瀕死状態:プレイヤーを赤く点滅させるなど

重要度の低い情報はプレイヤーの視線の外に目立たないように置く

  • パワーアップアイテム取得数:常に見ていないといけないものではないので、配置は現状維持
  • 自分のHPゲージ:瀕死な時以外はそこまで見る必要がないので、配置は現状維持

不要な情報はなくす

  • 塔ラベル:HPメーター、文字は不要では。アイコンのみで、壊れそうなときは他の視覚的な手段を使うとか

見やすくする

  • ミニマップ:プレイヤーの方向を反映する? プレイヤー周囲のみ表示する? 全体表示と拡大表示を切り替えられるようにする?
  • 勢力・スコアゲージ:両チームのゲージ合わせて最大が全タワーになるように。勝敗と自チームが分かりやすいように

最後に

ということで、目的としていたゲームの仕様を大まかに決めることができました。

5月6月でここで決めた使用に従った一通り改修し、6月末のIGC2022で実際にお客さんにプレイしてもらって、検証しようと思っています。

Todo

現状で、ゲーム本体の実装を優先したいため、以下の事項がまだ保留中になっています。
これは今後決めていきます。

  • 特殊ステージの場合の体験:通常ステージ以外のステージの場合の考慮
  • ゲームサブ要素:ゲームを繰り返しプレイしてもらうための動機付け方法
  • 検証方法の精査:プレイテスト等をする際にここで考えた内容をどのように検証するのか明文化
  • 統一テーマ決め:ゲームデザインバイブルに書いてあったものですが、このゲームのテーマが何になるのか迷ってる

参考文献

補足:現行仕様

新仕様だけ書いても何が変わったのかわからないと思うので、現行仕様も書いておきます。

ゲームルール
  • チーム制(最大4vs4)
  • 制限時間制
  • 制限時間終了時の塔の占拠数が多かったチームの勝ち
  • ステージ内に配置されている
  • 試合終了時に多く占拠していたチームの勝利
  • 塔には5つのレベルがあり、レベルにより硬さと得点が異なる
  • 高レベルタワーは見つけづらい場所に隠れている
武器
  • 武器はステージに落ちている。アイテムボックスには入っていない。一定時間で消える
  • スペシャル武器は滅多に出現しない

武器には2種類ある

  • 通常武器:通常の武器
  • スペシャル武器:攻撃力が高い、攻撃範囲が広いなど性能の高い武器
パワーアップアイテム
  • アイテムはステージに落ちている。アイテムボックスには入っていることがある。一定時間で消える
  • パワーアップアイテムはチーム共有
  • パワーアップアイテムには意図的にいろんな種類を持たせる
  • 敵に倒されるとパワーアップアイテムを落とす。たくさん持っているほどたくさん落とす。落としたアイテムは改修が必要
チーム領域
  • 占拠された塔の周辺はそのチームの領域となり、味方は性能向上、敵は性能低下するメリットがある
  • アイテムは味方チーム領域では落とさない
その他
  • プレイヤーは飛行制限あり。一定時間で上昇できなくなる

操作方法

  • L: 武器使用
  • R: ブースト・体当たり
  • AB:ブレーキ&チャージ
  • 左スティック:方向転換
  • 右スティック:カメラ操作

ステージ

以下の方針とする。

  • 高低差は控え目か。高低差を作る場合も上から見て複数のフロアが重ならないようにする(現状の実装の制約から)

UI

特に方針なし。

プロフィール

Luftelli

Author:Luftelli
ゲーム開発を行なっている4人のチームLuftelliです。
今は2022年後半の公開に向けて、ネットワーク対戦型シューティングゲーム「光影の塔」を制作しています。

チーム連絡先: Twitter, メール

メンバー
・Cdec: 代表、ゲーム開発全般担当
 個人連絡先: Twitter, メール
・Lui: 各種チェック・レビュー担当
・Van: 広報担当
・Zip: Webページ作成・ゲーム開発担当
・(S丼: 休止)

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